各国の軍用機 命名規則
 第二次世界大戦時の各国軍用機の命名規則をまとめてみました。この命名規則を知っていれば、形式記号型番だけで
 用途やメーカー、試作機なのか等が判かります。また、開発年度がわかるのもあるので多機種と性能比較も楽になるのです。
 
 アメリカ陸軍航空隊  アメリカ海軍・海兵隊  イギリス軍  ソ連軍
 ドイツ空軍  日本陸軍航空隊  日本海軍  連合軍コードネーム


 
アメリカ陸軍航空隊
 
アメリカ陸軍航空隊の命名規則は、例外も一部あるが基本的に規則通りに名づけられている。
今回記載したものは1924年から1948年(前年に空軍として陸軍から独立)迄の命名方式であり、
それ以降は「戦闘機」の任務記号であったP(Pursuiter)をF(Fighter)に改めた為、空軍設立期間中に
開発・改良されていた戦闘機は、機体名が変更された物も多い。
    
  接頭記号…試作機の場合のみ X が付けられる
  任務記号…任務を表す英字。 Pなので追撃機
  番号…任務毎の連続番号。 追撃機として51番目
  設備記号…装備品の変更や改設計が入るとAから順に英字を順番に割り当てる。Dなので4つ目の装備・改設計
  愛称…メーカーが与える。メーカーごとの一定の傾向があったるする。 ムスタングとは荒馬という意味
  
 任務記号の割り当て英字
A:攻撃機(Attacker) CG:輸送グライダー(Cargo G) PB:複葉追撃機
AG:侵攻グライダー(Attack G) F:偵察機 PG:動的グライダー
AT:高等練習機(Advanced T) FG:油槽グライダー PT:初等訓練機
B:爆撃機(Bomber) FM:多座戦闘機 R:回転翼機(Rotorcraft)
BC:基礎戦闘訓練機(Basic C) G:オートジャイロ(Gyro) TG:練習グライダー
BG:爆撃グライダー(Bomber G) L:連絡機(liaison Airplane) UG:民間からの転用輸送機
BLR:長距離爆撃(Long Range) LB:軽爆撃機 X:試作機(Experimental)
BQ:飛行誘導爆弾 O:観測機(Observation)
BT:基礎訓練機(Basic T) OA:水陸両用観測機
C:輸送機(Cargo) P:追撃機(Pursuiter)
 
 
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アメリカ海軍・海兵隊
 
アメリカ海軍は1962年まで以下の命名規則を使用。アメリカ陸軍航空隊とは異なり、メーカーを記号化して機体名にしており任務記号も別な割り当てを用いている記号が多い。海兵隊も海軍の機体命名規則を使用していたが、海軍とは異なる呼称を用いた機体もあった。
      
  接頭記号…試作機の場合のみ X が付けられる。
  任務記号…任務を表す英字。 前者はFなので戦闘機、後者はOSだから観測偵察機
  番号…任務に対する製造メーカー毎の連続番号。但し1種類目の番号は省略。
  メーカー記号…各メーカーを英字1字で割り当てたもの。前者はヴォート社の4種目の戦闘機、後者は同社の2種目の観測偵察機
  型番号…形式が異なる場合に連番で与えられる。前者は1つ目の形式。後者は3つ目の形式
  設備記号…特殊な任務、特殊な装備に連番で与える。 前者のDは落下タンク装備の意味、後者は無しで省略されている
  愛称…メーカーが与える。メーカーごとの一定の傾向があったるする。 前者は海賊、後者はカワセミという意味
  
 任務記号の割り当て英字
A:攻撃(Attack) R:輸送、レーサー SO:偵察・観測
B:爆撃(Bomb) S:偵察(Spy) TB:雷撃・爆撃
F:戦闘(fighting) T:雷撃(Torpedo) TD:標的
G:軽輸送、グライダー BF:戦闘爆撃 X:試作機(Experimental)
H:患者輸送(Hospital) BT:爆撃・雷撃
J:汎用輸送 OS:観測・偵察
N:練習 PB:哨戒・爆撃
O:観測(Observance) PTB:偵察・雷撃・爆撃
P:哨戒(Patrol) SB:偵察・爆撃
C:輸送機(Cargo) SN:偵察・練習
 
 メーカー記号(但し、同じ番号で複数のメーカーが割り当てられている)
A:ブリュースター、ヌーアゲイン J:ノースマメリカン、他 R:ライアン
B:ビーチ、ボーイング K:フェアチャイルド、カイザーフリート、他 S:シコルスキー
C:セスナ、カーチス、他 L:ベル T:ノースロップ、テムコ
D:ダグラス、マクドネル M:マーチン、ジェネルモータース U:ヴォート、チャンスボート
E:パイパー N:ジャイロダイン、セバスキー、他 V:ロッキード
F:グラマン O:ロッキード W:カナディアンカー&ファクトリー
G:グッドイヤー、グレートレイクス P:バイアセッキ Y:コンソリーテッド、コンベア
H:ホール、ホワード Q:フェアチャイルド
 
 設備記号の意味
A:武装強化、陸軍機運用、他 F:司令部機、動力追加機 N:夜間戦闘機
B:イギリス向け、武装強化型 H:病院機 P:写真偵察機
C:着艦装置付、機関砲装備 J:雑用機、特殊気象観測機 R:転用輸送機
CP:トライメトロゴンカメラ装備 K:標的機 S:対潜哨戒機、水上機
D:落下タンク装備、標的操縦母機 L:照明灯機、寒冷地仕様機
E:索敵レーダー装備 M:気象観測機


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イギリス軍
 
イギリス海軍は陸海空軍とも共通した愛称を与え、それぞれに適した任務記号、サブタイプを表すマークナンバー、派生記号と続く。また、空軍機ではF.4/27といったような航空省仕様要求の要求記号がそのままが割り当てられた場合もある。
    
  愛称…メーカーが与える。様々な愛称与えているが、海軍は海洋生物、爆撃機は地名が多い等一定の傾向がある。
  任務記号…任務を1〜3字で表す。 低高度に特化したスピットファィアなのでLF
  マーク…Markの略で「Mk.」を付けて表す。
  改造番号…派生させた形式の順番番号をローマ字数字で表す。初代基本形から16番目の派生
  派生記号…仕様変更程度の差の改良を、英字で与える。eはウィング形式と呼ばれているものでEウイングという意味
  
 任務記号の割り当て英字
A:空挺輸送(Airborne) HF:高々度戦闘機(Hight Fighting) TR:雷撃・偵察
AQP:弾着観測 L:低高度(Low Range) TT:標的曳航(Tow Target)
AL:陸軍連絡 LF:低高度戦闘機(Low Fighting) TX:練習グライダー
AS:対潜 Met:気象偵察(Meteorological) U:無人機(Unoccupied)
ASR:救難捜索 NF:夜間戦闘(Night Fighting)
B:爆撃(Bomb) PR:写真偵察
C:輸送(Cargo) R:偵察(Recce)
F:戦闘(fighting) S:(海軍の)攻撃
FB:戦闘爆撃 T:練習(Training)
GR:偵察全般 TF:雷撃(Torpedo Fight)
 
 ウィング形式(翼内に装備する武装バリエーション)
A Wing 7.7mm機関銃×8
B Wing 7.7mm機関銃×4、20mm機関砲×2
C Wing 20mm機関砲×4 又は、C Wingと同じ武装のどちらかが選択可能
D Wing 写真偵察タイプの主翼内の武装を降ろし、そのスペースに燃料タンクを増設したもの。
E Wing 20mm機関砲×4 又は、20mm機関砲×4、12.7mm機銃×2 のどちらかを選択可能
 
 
 
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ソ連軍
 
ソビエト空軍の機体命名規則は、1939年頃を境として二種類の命名規則があった。1940年以降の命名規則は現在においても使用されている。どちらの命名規則においても他国のように「公式な愛称」というものは無い。また、改造や派生における文字や番号は、その機種独自で割り当てられるので使用される記号の意味は機種によってまちまちである。また、あいまいな命名を付けられた機体は、第二次世界大戦中の混乱期(政府や工場がウラル地方へ疎開したりした)に開発された機体に多く見られる。
海軍においても空軍機の命名規則をそのまま継承している。
      
 1939年迄の命名規則
  任務記号…アルファベット1〜3文字で割りてられた英字で表す。Iは戦闘機という意味
  任務番号…任務における何番目かを数字で表す。 低高度に特化したスピットファィアなのでLF
  派生記号…派生させた形式の記号は機種によってまちまち。 bisとは発展型という意味
 1939年以降の命名規則
  各設計局略号…設計局名をその設計主任者の頭文字を組み合わせて略した文字で表す。
          Yak はヤコブレフ設計局が開発した機体という意味
  設計番号…設計局における開発順を番号で表すのであるが、戦闘機には奇数、爆撃機・攻撃機・輸送機には偶数を
        を振っていく。
  ヤコブレフ設計局で開発された戦闘機の中では5番目の機種
  派生記号…派生させた形式の記号は機種によってまちまち。 Yak-9Dは外翼に燃料タンク追加の長距離型を表す
  
 1939年迄の任務記号の割り当て
I:戦闘機(Istrebitel) SB:高速爆撃機(Skorostnoj Bombardirovschik)
TB:重爆撃機(Tiagiolij Bombardirovschik) DB:長距離爆撃機(Dalnij Bombardirowschik)
DVB:高々度長距離爆撃機(Dalnij Visotnij Bombardirovschik) R:偵察機(Reconnaissater)
MDR:洋上長距離飛行艇(Morskoj Dalnij Razwedchik) UT:練習機(Uchebno-Trenirovochny)
MTB:雷撃爆撃飛行艇(Morskoj Torpedonosets-Bombardirovscik) PS:旅客機(Passagirsky Samoliot)
KOR:水上偵察機(Korablemij)
 1939以降からの設計局略号の割り当て
Po:ポリカレフ Pe:ペリヤコフ
MiG:ミヤコン・グレゴビッチ Il:イリューション
Yak:ヤコブレフ Tu:ツポレフ
LaGG:ラボーキチン・ゴルボノフ・グドコフ Sh:シャフロフ
LaG:ラボーキチン・ゴルボノフ Yer:イュルモラエフ
An:アントノフ Ar:アルハンゲリスキー
Su:スホーイ Bi:ベレズニアク・イザイエフ
Li:リスノフ Shche:シチャルバコフ
K:カリーニン Ta:タイロフ
Be:ベリエフ
 
 
 
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ドイツ空軍
 
1933年からの機体命名規則。ドイツ航空省から各メーカー毎に形式番号に使用する番号範囲が割り当てられており、その機体番号をメーカー略号と組み合わせる方式を取る。また、ある機体をベースに大改修をおこなった場合には、元の機体番号の百単位の数字を繰り上げる方式も取られた。また、1944年以降は功績を挙げた設計者や博士の機体は、その設計者の略号を機体名に用いる元を許された。サブタイプは計画順に英大文字で振られ、さらに細かい改修はサブタイプの後ろにハイフォン番号を振る。現地改修キットを適用した機体は、一番後ろにRとキット番号を付け加える。基本的に「公式愛称」は無し。
細かく規定した命名規則であるが、敗戦ムードが濃厚になってきて新機種計画が乱立しだすとメーカー毎の形式番号が追いつかなくり混乱してしまい、まちまちな番号が振られてしまう事になっていた。
また、未試作のペーパープラン段階では、プラン提出順にPから始まる番号が振り、実験機についてはEから始まる番号を振っていた。機体愛称については正式なものでは無く、パイロット等現地軍人が名づけたニックネームらしい。
      
  メーカー略号…設計開発したメーカーをメーカー略号で表す。一部、設計士略号もあり。
              前者はBfなのでバイエルン航空製造社、後者はFwなのでフォッケウルフ社
  形式番号…各社に一定範囲の形式番号を渡し、順に振って行く。 前者は109、後者は190が振られた
  サブタイプ…基本形をAとし、それ以降、サブタイプが出れば準備英字振る。前者は7番目、後者は基本形
  小改修番号…試作を0(省略)とし番号を振る。前者、後者ともは6番目の小改修
  改修キット…現地改修キットを使用してる場合にRを付ける。前者、後者とも改修キットを装備
  キット番号…何番目の改修キットかを表す。 前者は6種類目、後者は11種類目の改修キットを装着
   
 メーカー略号は以下の通り
Al:アルバトロス Fa:フォッケ・アハゲリス Ju:ユーンカース
Ao:アゴー Fg:プラハ航空技術製造所 Kl:クレム航空機
Ar:アラド Fi:フィゼラー Me:メッサーシュミット
As:アルグス FK:キール航空機 NR:ナグラー・ロルツ
B:ベルクリン Fl:フレットナー Si:シーベル
Ba:バッヘム Fw:フォッケウルフ So:ハインツ・ゾムボルト
Bf:バイエルン航空製造 Go:ゴーダ Sk:シュコダ・カウバ
Bu:ビュッカー Ha:ハンブルグ航空機 We:ベーゼル航空機
Bv:ブローム&フォス He:ハインケル Wn:ヴィナー・ノイシュタット
DFS:ドイツ滑空機研究所 Hs:ヘンシェル ZMe:ツェッペリン/メッサーシュミット
Do:ドルニエ Ho:ホルテン ZSo:ツェッペリン/シュドエスト
 設計士独自の名誉略号は以下の4種類
Ka:アルベルト・カルケルト(ゴーダの設計士)
Hu:ウルリッヒ・ヒュッター博士(ハインケルに協力していた博士)
Li:アレクサンダー・リピッシュ(DFS、メッサーシュミットに強力していた博士)
Ta:クルト・タンク(フォッケウルフの設計士)
 
  メーカー毎の割り当てられた番号範囲
  当初計画的に割り当てられた。ドルニエは11〜30、クレムが31〜36、ハインケルが37〜60、アラドが64〜84など。
  但し、次第に重複する番号が振られていき、あまり意味をなさなくなる。
  大改修で別機種にする場合のケース:Ju88の大改修はJu188、Ju288、Ju388へと発展機種を命名。
 サブタイプ記号では、試作機にVを付けたケースも多く見られる。
 現地改修キットはR、工場改修キットにはUと表す。熱帯改修は現地改修キットであろうとTtopと表す。
 ※ Bf109やBf110は間違い無くメッサーシュミット社の開発機体であるが、機体命名された時期には政府方針で
   バイエルン航空局の一部門扱いであった為、メーカー略号がBfとなっている。
 
 
 
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日本陸軍航空隊
 
日本陸軍の機体命名は開発設計機・試作機を含めた機体名と、正式採用機のみ名づけた機体名と二種類あった。
前者の命名規則は、九三式重爆撃機(1933年3月試作完成)をキ-1としてそれ以降の機体(試作機を含む)をキ番号として通し番号で振って表す。このキ番号の後ろに、エンジンなど主要構造部分に大きな変更があった場合に、ローマ数字を用いて主要変更があった順を表し、その後ろに装備や武装変更があった際に十干(じっかん)文字にて変形順を記す方法を用いた。
そして正式採用のみに与える機体名は、1927年以降から付けられており、皇紀の下二桁の数字を年式表示で用いて機体用途名の前に付けて表す形である。皇紀2600年が西暦なら1940年で昭和15年にあたる。そして前者の命名規制と同じように、「構造改修順」「武装変更順」を記す事になる。またさらに大規模改修があった場合は最後尾に「改」を付け加えた。
そして1941年(皇紀2601年)以降は、正式採用機に対する命名規則に「公式愛称」を付けるようになり、「構造改修順」の前に記すようになった。
このように二種類の機体名があった為、その機体にキー番号の機体名しかなかったら、実戦投入段階まで進まなかった機体だと判る。(但し、五式戦闘機は実戦投入に数日の差で間に合わなかった)
    
  メーカー…生産メーカー名を略記号を用いずに表す。 飛燕は川崎航空機
  キ表示…九三式爆撃機から順に番号を振っている。
  キ番号…キ-1から試作機も含めての機体種を番号順を表す。61番目の機体種
  構造改修順…エンジン等の構造自体の改修番号をローマ字で振る。当初設計のままのエンジンを積んだ機体
  武装変更順…主に武装変更を行なった場合の変更順を十干で表す。前者、後者とも改修キットを装備
  正式機体の年式・用途…皇紀2600年を基準(00)として年式表示し合せて用途を表示。
                                         三式戦闘機なので、1944年(昭和19年)に正式採用された戦闘機となる
  愛称…陸軍部が考えた愛称(1941年より) 飛燕と名づけられた。
  構造改修形式…漢数字にてエンジン等の構造自体の改修番号を形式として振る。当初設計のままの機体構造
  
 
 
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日本海軍
 
日本海軍においても、試作段階時の機体命名と正式採用時の機体命名の二種類存在した。
試作段階時には、皇紀2600年(西暦1940年/昭和15年)を基準(00)とした年式表示に試作を表す「試」を付けたして後尾に機体目的を合せる命名方法で、ゼロ戦なら十一試艦上戦闘機、雷電なら十四試局地戦闘機となる。
正式採用時の機体命名規則は、メーカー名を当初に表記し、用途記号、計画番号、メーカー略号、構造改修順、武装変更順と続ける方法を取った。これをアルファベットを使わずに表したものが( )の表記方法となり、この場合、主要変更の表記として型番形式を取り、機体構造の改修順を10の位、エンジンの換装順を1の位として漢数表示した。武装変更順の表記は最後尾に十干にて表記する。
また、陸軍と同じ1941年ごろから「公式愛称」を付けるようになり、何らかの一定の法則に沿った愛称が付けられている。尚、「ゼロ戦」は公式愛称では無く「零式艦上戦闘機」を単に略して呼んだだけである。
    
  メーカー名…生産メーカーを記す。メーカー略号とだぶるので省略も多い。
                基本的に三菱で製造したため三菱と表記されたが、52型は特に中島製の機体が多い。
  用途記号…用途に合せた用途記号を表す。 Aは艦上戦闘機
  用途順番号…用途後との機種順番数字で振る。6種類目の艦上戦闘機
  メーカー略号…生産メーカーをメーカー略号で表す。Mは三菱
  構造改修順…機体改修、エンジン換装があった場合にその順を表す。5番目の構造改修した機体
  武装変更順…武装改修があった場合にその順を表す。 3種類目の武装改修した機体
  正式機体の年式・用途…皇紀2600年を基準(00)として年式表示し合せて用途を表示。皇紀元年採用なので零式。
  愛称…1941年より公式愛称を命名して表す。 零式艦上戦闘機は1940年に正式採用なので公式愛称無し
  変更形式…構造改修順を10の位、エンジン換装順を1の位として漢数表示。5番目の構造改修で2番目のエンジン換装
 10 武装変更十干…武装変更を十干で順番表記。 3種類目に武装変更した機体
 
 用途略号は以下の通り
A:艦上戦闘機 G:陸上攻撃機・陸上雷撃機 N:水上戦闘機
B:艦上攻撃機(雷撃可能) H:飛行艇 P:陸上(急降下)爆撃機
C:偵察機 J:局地戦闘機 Q:哨戒機
D:艦上(急降下)爆撃機 K:練習機 R:局地偵察機
E:水上偵察機 L:輸送機 S:夜間戦闘機
F:水上観測機 M:特殊機・研究機 X:滑空機
 
 生産メーカー略号は以下の通り
A:愛知航空機(愛知時計電機) K:川西航空機 Si:昭和飛行機
D:ダグラス M:三菱航空機 V:セバスキー
G:日立航空機 N:中島飛行機 W:九州飛行機
H:海軍航空技術廠(広島) P:日本飛行機 Y:海軍航空技術廠(横須賀)
He:ハインケル S:海軍航空技術廠(佐世保大村)  

 愛称の一定の法則
甲戦(対戦闘機用戦闘機と水上戦闘機):風が付く(烈風、強風など)
乙戦(対爆撃機用戦闘機と局地戦闘機)雷が付く(雷電、紫電、震電など)
丙戦(夜間戦闘機):光が付く(月光、極光、電光など)
偵察機:雲が付く(紫雲、彩雲、瑞雲など) 攻撃機:山が付く(連山、天山、南山など)
爆撃機:星が付く(彗星、流星、銀河など) 哨戒機:海が付く(東海、大洋など)
輸送機:空が付く(春空、蒼空など) 練習機:草木の名前(紅葉、白菊など)
特攻機:花が付く(桜花、橘花など) 例外:晴嵐、秋水
 
 ※ 日本海軍の場合、用途について「爆撃」と「攻撃」は注意が必要です。日本海軍の爆撃用途機というのは水平爆撃を
   行なう機体では無く、急降下爆撃機専用機の事です。で、日本海軍の攻撃用途機が水平爆撃や雷撃を行なう機体
   を示します。これは英米軍とは全く逆の呼び方なんですね。ちなみに日本陸軍は急降下爆撃という概念が無
   いので、爆弾を投下する任務は全て「爆撃」と呼びます。

 
 
 
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連合軍の日本軍機コードネーム
 
日本人においても、日本は陸軍機・海軍機とも正式機種名がややこしい。欧米人なら尚更である。そこで、アメリカ軍を中心として確認された日本軍機に独自で名づけたコードネームを付けていた。
そのコードネームの傾向は、戦闘機には男性名、爆撃機やその他の用途機には女性名。輸送機については「T」から始まる女性名を名づけていた。
この日本機に対するコードネームは、第二次世界大戦後には、東側諸国の軍用機に対するNATO軍コードネームに繋がって行く事になる。
  陸     軍   海     軍
   機 種 名  キ形式  コードネーム    機 種 名  型式  コードネーム
  九七式戦闘機 キ−27 NATE(ネイト)   九六式艦上戦闘機 A5M1〜4 CLAUDE(クロード)
  一式戦闘機(隼) キ−43 OSCAR(オスカー)   零式艦上戦闘機三二型 A6M3 HAMP(ハンプ)
  二式戦闘機(鐘軌) キ−44 TOJO(トージョー)   零式艦上戦闘機(上記以外) A6M1〜8 ZEKE(ジーク)/ZERO(ゼロ)
  二式双発戦闘機(屠龍) キ−45改 NICK(ニック)   烈 風 A7M1〜2 SAM(サム)
  三式戦闘機(飛燕) キ−61 TONY(トニー)   雷 電 J2M1〜6 JACK(ジャック)
  四式戦闘機(疾風) キ−84 FRANK(フランク)   紫 電 N1K1−J GEORGE(ジョージ)
  五式戦闘機 キ−100 TONY(トニー)   紫電改 N1K2−J GEORGE(ジョージ)
  五式双発戦闘機 キ−102 RANDY(ランディ)   月 光 J1N1−S IRVING(アーヴィン)
  九七式軽爆撃機 キ−30 ANN(アン)   極 光 P1Y2−S FRANCES(フランシス)
  九八式軽爆撃機 キ−32 MARY(メアリー)   二式水上戦闘機 A6M2−N RUFE(ルーフ)
  九九式軽爆撃機 キ−48 LILY(リリィ)   強 風 N1K1 REX(レックス)
  九七式重爆撃機 キ−21 SALLY(サリー)   九七式艦上攻撃機 B5N1〜2 KATE(ケイト)
  一〇〇式重爆撃機 キ−49 HELEN(ヘレン)   天 山 B6N1〜3 JILL(ジル)
  四式重爆撃機(飛龍) キ−67 PEGGY(ペギー)   流星・改 B7A1〜2 GRACE(グレース)
  九九式襲撃機 キ−51 SONIA(ソニア)   九九式艦上爆撃機 D3A1〜2 VAL(ヴァル)
  九七式司令部偵察機 キ−15 BABS(バッヅ)   彗 星 D4Y1〜4 JUDY(ジュディ)
  一〇〇式司令部偵察機 キ−46 DINAH(ダイナ)   九六式陸上攻撃機 G3M1〜3 NELL(ネル)
  一〇〇式三型改 キ−46丙 DINAH(ダイナ)   一式陸上攻撃機 G4M1〜3 BETTY(ベティ)
  キ70試作司令部偵察機 キ−70 CLARA(クララ)   深 山 G5N1〜2 LIZ(リッツ)
  九八式直接共同偵察機 キ−36 IDA(アイダ)   連 山 G8N1〜3 RITA(リタ)
  三式指揮連絡機 キ−76 STELLA(ステラ)   銀 河 P1Y1〜6 FRANCES(フランシス)
  九七式輸送機 キ−34 THORA(ソーラ)   東 海 Q1W1 LORNA(ローナ)
  一〇〇式輸送機 キ−57 TOPSY(トプシィ)   桜 花 MXY−7 BAKA(バカ)
  一式貨物輸送機 キ−56 THALIA(テルマ)   彩 雲 C6N1〜2 MART(マート)
  一式輸送機 キ−59 THERESA(テレサ)   九八陸上偵察機 C5M1〜2 BABS(バッヅ)
  キ105試作輸送機 キ−105 BUZZARD(バーザード)   九四式水上偵察機 E7K1〜2 ALF(アルフ)
  四式特殊輸送機 ク8 GANDER(ガンダー)   九五式水上偵察機 E8N1〜2 DAVE(デイブ)
  九五式一型練習機 キ−9 SPRIUCE(スプライス)   零式水上偵察機 E13A1 JAKE(ジェイク)
  九五式三型練習機 キ−17 CEDAR(シーダ)   紫 雲 E15K1 NORM(ノーム)
  四式基本練習機 キ−86 CYPRESS(サイプレス)   瑞 雲 E16A1 GLEN(グレン)
  九九式双発高等練習機 キ−55 IDA(アイダ)   零式観測機 F1M1〜2 PETE(ピート)
  一式双発高等練習機 キ−54 HICKORY(ヒッコリー)   九八式水上偵察機 E11A1 LAURA(ローラ)
          九九式飛行艇 H5Y1 CHERRY(チェリー)
          九七式飛行艇 H6K1〜5 MAVIS(メイヴィス)
          二式飛行艇 H8K1〜2 EMILY(エミリー)
          零式輸送機 L2D1〜3 TABBY(タビィ)
          九三式陸上中間練習機 K5Y1〜5 WILLOW(ウィロー)
          二式初歩練習機 K9W1 CYPRESS(サイプレス)
          九〇式作業練習機 K3M1〜3 PINE(パイン)
 ※ 興味深い点では、零式艦上戦闘機の三二型。従来の二一型とは全く違った主翼になったので別機種だと思っちゃったんだな。
   その割には、紫電と紫電改が同じコードネームだったりする。中翼式と低翼式ではフォルムからしても全然違うのにね。
   まあ、四式基本練習機と二式初歩練習機が同じコードネームなのは、戦力的に関係ないし一緒で良いやって感じかな?