その他の奇想天外機 
 ヨーロッパを除いたその他の国の奇想天外機のコーナー。このカテゴリーに分けると第二次世界大戦機の軍用機って少ない。その中でも奇想天外ってなるとめちゃ少ない。オーストラリアのCA-13ブーメランなんてたいした事の無い性能だったけど、まあ国状を鑑みるとアレはアレで、ゼロ戦や隼相手に地味にがんばったほうだしなぁ。

 

CA-4/11 Woomera(CA-4/11 ウーメラ ) 
 
 オーストラリアがコモンウェルス社に設計・生産させた機体。英国製のボーフォート雷爆撃機やハドソン哨戒機の後継として1941年に豪州空軍仕様書241号(オールマイティな軍用機)に基づいた双発機として設計。同仕様書での要求である偵察・爆撃・雷撃・急降下爆撃に使用できる能力として、CA-4と名付けられた原型機は低翼単葉の三座軽爆撃機で、7.7mm機銃を4丁装備、500ポンド爆弾もしくは小型航空魚雷を2発搭載する能力を持っていた。さらに、オーストラリア空軍の指示で20mm機関砲に搭載変更して尾翼も再設計した改良を行なう事になるが、苦労の甲斐があってCA-11の名で1942年に量産発注となった。
 ところが国産の泣き所で機体の製造着手に遅れが生じ、CA-11原型機が完成したのは1944年。まだまだ改善する箇所もあり完成には時間がかかりそうだし、英国からボーファイター、米国からB24リベーダーが順調に提供され続けているので、2機ほどの生産で終了させられた。
 
 
Fleet 60K Fort(フリート60K フォート) 
 
 カナダが第二次世界大戦中に唯一製作した国産軍用機。開発設計はフリート・エアクラフト社で、当初は自主開発から出発していたその機体設計は、ノースアメリカンT-6テキサン練習機の代替機を意図して作られ、1940年3月初飛行。1940年に完成しているのに主翼はいまだ型持ち式ではなく古さを感じる。もともと戦闘機や偵察機にも使えるつもりでいたが、やはり性能的にも練習機としてしか使えない状況で、量産発注も受けたが生産も遅れ、結局は101機がカナダ空軍に納入されただけであった。
 納入後も高等/中等練習機としては使い物にならず、T-6テキサンに代替するはずであったが果たせず。結局は無線士の訓練に使用され、就役期間は比較的短いものであった。